展覧会 2023年 村居正之の世界展

郷さくら美術館 特別展

村居正之の世界 —歴史を刻む 悠久の青—

会期:2023年12月2日(土)- 2024年2月25日(日)

主催:郷さくら美術館

後援:一般社団法人めぐろ観光まちづくり協会

開館時間:10:00-17:00 (最終入館 16:30)

休館日:月曜日[但し1/8・2/12は開館、1/9・2/13は振替休館]、 年末年始[12/29〜1/5]

アーティスト・トーク

村居正之先生によるアーティスト・トークを開催いたします。

・12/2(土)14時
・1/13(土)14時
・2/3(土)14時

※事前予約は不要です。
※イベントは予告なく変更になる場合があります。予めご了承下さい。

美術館からのごあいさつ

このたび郷さくら美術館では、郷さくら美術館特別展「村居正之の世界—歴史を刻む 悠久の青—」を開催いたします。日本画家・村居正之は、現代日本画壇を代表する作家の一人です。村居正之は、1947年京都府に生まれました。京都市立日吉ヶ丘高校を卒業した後、1968年に画塾である青塔社へ入塾、池田遙邨・池田道夫に師事します。1971年には第3回日展に初入選。青塔社展や日展を中心に作品を発表し、早くからその実力が認められました。現在では日展の理事や日本藝術院会員を務め、大阪芸術大学、金沢美術工芸大学では後進の指導に力を注いでいます。
本展は、村居正之が1992年から現在まで約30年にわたって制作してきた「ギリシャ・シリーズ」をご紹介いたします。村居正之は、天然の岩絵具の中でも特に群青色に魅了され、独自の深みのある青色を表現し、その色づかいは「青い墨絵」と評されています。ギリシャ文明の遺跡や建築の情感あふれる作品の数々。悠久の時を越えて描かれた青い世界をご堪能ください。

展覧会によせて

1979年、ヨーロッパへの写生旅行で初めてギリシャを訪れました。アテネの考古学博物館にて遭遇した、サントリーニ島で発掘された3500年前の壁画に強い印象を受けたことを覚えています。古代ギリシャを主題に据えた作品制作を本格的に展開するのは、1992年にギリシャへ再渡航し、歴史的に主要な地区や島々を取材してからです。白い壁と碧い海、暁の光と夜の闇の鮮烈な対比を写生し続け、その視覚的な体感を群青一色で絵画として表現するようになっていきました。
ただ、目の前の風景を切り取って描くのではなく、紀元前からそこに屹立していた神殿を包む、目に見えぬ空気の粒子までも表現したいと思っております。対象の美しさと自分の心の中の美的感覚とが響き合って生まれいづるあの素晴らしい感覚を、いかにすれば絵として表現しうるだろうかと悩みながら制作してまいりました。
今回、約30年間の作品を、一堂に展示できることに大変うれしく思っております。目指す日本画の道は果てしなく続いております。今はまだ夢の途中であると心に銘じ、これからも精進してまいります。
今後ともなにとぞご指導ご鞭撻のほどを賜りますようお願い申し上げます。
村居正之

村居正之 略歴

1947年 京都府生まれ
1966年 京都市立日吉ヶ丘高等学校美術工芸コース日本画科卒業
1968年 青塔社に入塾 池田遙邨に師事
1971年 第16回青塔社展 京都府知事賞受賞(’74,’75)
1972年 第7回日春展 奨励賞受賞(’74)
1973年 第25回京展 紅賞受賞
1975年 第7回日展 特選(’90)
1977年 京都・北向山不動院堂内の金剛界曼荼羅・胎蔵界曼荼羅の下地処理と金箔貼りを村田茂樹とともに行う
1989年 岡山大学教育学部非常勤講師就任(~2005年3月退任)
1990年 日春会会員になる
1996年 第2回京都日本画家協会新鋭選抜展で招待作家とともに理事を務める
1999年 第34回日春展 会員賞受賞
2000年 紺綬褒章を受章(’05,’13)
2001年 岡山大学大学院教育学研究科非常勤講師就任
2004年 オリンピック記念郵便切手の原画としてオリンピア、パルテノン神殿を主題として制作
2005年 日展評議員になる
    日春会運営委員になる(~2015年閉会)
2006年 大阪芸術大学美術学科客員教授就任
2008年 大阪芸術大学美術学科教授就任
2014年 大阪芸術大学美術学科学科長就任
2016年 新日春会設立総会において運営委員に選出される
2018年 第5回日展で文部科学大臣賞受賞
2020年 財団法人林宗毅博士文教基金会(台湾)の文化賞受賞
    令和元年度第76回日本藝術院賞・恩賜賞受賞
    日本藝術院会員に就任
2022年 画業55年 日本藝術院会員就任記念「村居正之作品展~歴史を刻む 日本画の輝き~」開催

現在  日本藝術院会員、公益社団法人日展理事、新日春会理事、
    大阪芸術大学美術学科教授・学科長、金沢美術工芸大学客員教授

見どころ

本展は、村居正之が1992 年から制作してきた画家の代名詞である「ギリシャ・シリーズ」をご紹介いたします。天然の岩絵具の中で特に群青色に魅了され、画家自身の手で原石から絵の具を精製して、奥行きのある群青色を表現しているのが特徴です。地中海沿岸の日差しと抜けるような青空に取材して制作された作品の数々。サントリーニの青い空と白い街並み、夜の遺跡など、様々な青色の諧調が見られます。中には、日本藝術院賞を受賞した《月照》や、画家本人が特に思い出深いという、細筆で幅4 m50cm の屏風を制作した《燿く夜》などをご覧いただけます。画家自らが追及する色彩の美しさと、雄大な自然と建築物の情感あふれる景色を描いた大作をどうぞご堪能ください。

展示作品

村居正之《月照》2016年
村居正之《耀く夜》2002年
村居正之《悠》2021年
村居正之《輝く》2015年
村居正之《映》2012年
村居正之《メテオラ》2001年
村居正之《リンドス黎明》1998年
村居正之《サントリーニ》1993年
村居正之《白い協会》1992年
村居正之《光》2011年
村居正之《アクロポリスの月》2005年

出品リスト

※村居正之の世界展 会期中は「桜百景」展は開催しておりません。
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